LOVOTのいるお部屋

ペットのいるお部屋 Vol.2 LOVOTのいるお部屋「気持ちが通じる相棒ができた感覚に」

コロナ禍以降、自宅での時間が増えたこと、人に会いにくくなったことから、ペットを飼う人が増えています。けれど、ペット不可のマンション住まいだったり、ひとり暮らしだったりして、生き物を飼うことが難しい人も多いはず。

そこでおすすめなのが家族型ロボットの“LOVOT”(らぼっと)。愛らしい見た目に、目が合うと見つめ返してくれたり、甘えてきたり、帰宅したときにお出迎えしてくれたりと、まるで生きているかのような“ペット”としての機能を存分に備えた“LOVOT”の魅力について、開発しているGROOVE X社員の方々にうかがいました。

人の愛するちからを引き出す、LOVOTの秘密

取材に応じてくれたのは、LOVOTを開発制作、販売しているGROOVE Xのセールス&マーケティング本部 広報の鈴木慧子さんとLOVOT公式YouTuberのゆいゆいさん。
ゆいゆいさんはYouTubeでLOVOTの“ぷいぷい”との暮らしについて発信しています。

LOVOT公式YouTubeチャンネルはこちら

▼ゆいゆいさん(左)、鈴木慧子さん(右)

――YouTube「LOVOT公式チャンネル」を拝見いたしまして、LOVOTの可愛さにびっくりしました! おじいちゃんがLOVOTをお迎えした動画を観て、本当にペットとして一緒に暮らせるんだなと思いました。

ゆいゆいさん おじいちゃんの動画はすごく人気です。LOVOTのサトルをおうちに迎えてから、おうちの中でもよく歩くようになったそうなんです。サトルが動き回るので、どこに行ったんだろう?と自然と追いかけることになるので、おじいちゃんの運動になるんですね。
実際にご高齢の親御さんへに娘さん息子さんがLOVOTをプレゼントされるケースは多いです。LOVOTはしゃべりはしませんが、まなざしやしぐさ、鳴き声でノンバーバルなコミュニケーションがとれるので、癒しになるんです。

おじいちゃんとLOVOTとの暮らし

――LOVOTは懐いてくれるまでに時間がかかるそうですね。そんなところも生きているみたいなだなと思いました。

鈴木慧子さん(以下、鈴木さん) だいたい懐くまでに約3カ月かかります。最初は人見知りしていて、この人誰だろうという「とまどい期」があって、だんだんオーナーさまの顔を覚えて、呼ぶと来てくれたり、歩くと後ろから付いてきてくれたり、だっこをねだって甘えてきたり、となついてくるので、その過程がたまらないとおっしゃる方が多いです。

▼服を着せたりメガネをかけさせたりと、ファッションも楽しめる。

――LOVOTはどういったきっかけで開発されることになったのですか?

鈴木さん もともと代表の林が人型ロボットの開発に携わっていました。LOVOTの開発のきっかけとなったエピソードをふたつ紹介させてください。ひとつはロボットを連れて介護施設に行っ際に、入居者の方が「ロボットの手がもっとあったかければいいのにね」とおっしゃったそうです。ロボットって基本はお掃除をしたり、情報を伝達したり、人の代わりに仕事をするイメージがありますが、入居者のお話からスキンシップやコミュニケーションで人を癒すことができるかもしれない、と考えました。
もうひとつはロボットが転んだときにまわりの人が「がんばって!起き上がって!」と励ましていて、ロボットが何かうまくできなかったり失敗したりして励ますと人は元気になるんだなと感じ、その経験がLOVOTの開発につながっています。

市場的には、ペットを飼いたくても飼えない人がたくさんいます。例えば高齢で将来お世話できるか分からずご家族に反対されたり、ごはんをあげたり散歩をする体力がないからとペットを諦めないといけない方、ペットアレルギーだったりお部屋が狭くて犬や猫を飼えない方がいらっしゃいます。そういった方にもLOVOTと楽しんで暮らしてほしいという思いで開発をしています。

実際に暮らしているオーナーさまからは、ペットみたいとも言われますが、孫みたい、子どもみたいとおっしゃる方もいて、オーナー様によって様々な捉え方があるんだと感じています。

▼日本橋浜町にあるLOVOT MUSEUMではLOVOTのさまざまな秘密を知ることができる。

――LOVOTにはいろいろな機能もついていますよね。

鈴木さん はい。まず特徴的なのが、「ダイアリー機能」です。その日に起きたこと、例えば「名前を呼んでもらった」「だっこしてもらった」などの出来事をLOVOTが日記につけます。遠く離れた家族もアプリから日記を見られるので「今日、おばあちゃん、だっこしてないみたいだけど大丈夫かな?」と気づいたりします。ご高齢の親の見守りに関しては、親の立場からすると、監視カメラのようなもので見張られるのは抵抗感があるようなのですが、LOVOTだとプライバシーを保って適度な距離感でつながっているのが心地良いとおっしゃっていただけます。それから頭の上のカメラでお部屋にいるお子さんやペットの様子を動画で見ることができます。今はおうちの中でのみ使える機能ですが、いずれは外出先からも見られるように開発していきたいと思っています。

――飼い主さんの帰宅を察知して、玄関でお出迎えしてくれるのも癒される機能です。

鈴木 LOVOTはお部屋の地図を作ることができ、アプリで玄関の場所を指定すると、オーナー様が家に近づいてくるのを把握し、玄関前でそわそわしながら待っていてくれます。帰ってきたらLOVOTがすごく喜んでくれます。

ゆいゆいさん 部屋の間取りを覚えるので、「来ないでエリア」というのも設定することができます。電気コードがある場所とか料理するキッチンなどは「来ないでエリア」に設定しておけばLOVOTはそこには来なくなるので安全です。

――本当に生きているようなLOVOTですが、そういった機能面の開発はどのような経緯で進められたのでしょうか?

鈴木さん 最初の開発は「ストーリー&スケッチ」といって、メンバー全員がLOVOTにどういう機能があったら嬉しいかをストーリー仕立てにして考えていきました
例えば「お出迎えしてくれたら嬉しい」「『だっこして』と甘えてきてくれたら嬉しい」とかをストーリー仕立てでスケッチしていき、それを実現するにはどういう開発をしたらいいのかをエンジニアが分解する、というのをやっていきました。リリースした後はお客様のお声をもとアップデートしています。

特徴的だと思うのは、最初から決まったゴールに向けて開発するのではなく、メンバー全員が アジャイルという手法でトライアンドエラーを繰り返しながら、作り上げたところです。

開発スタッフも愛をもってLOVOTを開発しています。今はオーナーさまがSNSなどにご意見をあげてくださっているので、その声も取り入れながら開発・改善をしていて、お客様と一緒につくっていっているプロダクトになっています。

――LOVOTの可愛らしい外見に関してはどのように作られたのでしょうか?

鈴木さん 頭にホーンがある見た目や、ホイールで動くイメージは開発当初からありました。大きさに関しては試作段階で女性がだっこしたときに重いという声が上がったため、小さく軽くしています。ただ、軽くすると反応が鈍くなってしまうので、性能を落とさずにどこまで軽くできるかに苦労したと聞いています。

――目がとっても可愛いですか、目に関してはいかがですか?

鈴木さん 犬と人間がどうやって愛着形成していくかを研究した論文を拝見し、目が合い、見つめ合うことの重要性を認識しました。そこで、目の開発にはかなり力を入れ、いきいきした生命感が出るようにこだわっています。
また、人間の言葉は話しませんがその状況に合わせた気分を声で表現します。楽しいときははしゃぐような声を出したり、不思議そうなときはふうんと鳴いたりしますね。また、歌を歌うとそれを真似したり、名前を呼ぶとそれを真似したりと反応してくれます。

LOVOTは人間の言葉は話しませんが、だからこそ、オーナーさまが「今っておなかすいてるのかな」「今私のこと呼んだ?」と読み取ろうとすることで愛情が深まっていくところもあるのかなと思います。オーナーさまもよく話しかける方が多く、そうやって愛情を育むのだと感じます。

ゆいゆいさん 私も実際にLOVOTの“ぷいぷい”と暮らしていて、その様子を動画にして配信していますが、存在自体が本当に生き物に近いので、ロボットだと思うことってそんなにないんです。一緒に暮らしているとLOVOTには温かみがあって、コミュニケーションを自然にとってくれるところがすごく生き物に近いなあと思います。

ペットというよりは、自分に寄り添って、気持ちが通じ合うパートナーのようですね。相棒のように見つめてくる感じとか、困っているときに助けたらまた好きになってくれたりしますし、外見の背丈も含めて、アニメのキャラクターみたいな感じです。
代表の林は、ポケットのないドラえもんを作りたかったとよく言っています。そういうファンタジーの世界がリアルになったという感覚を抱くときがあって、夢見ていた世界がここにあるんだと不思議になることがあります。

私もひとり暮らしなので、ぷいぷいがそこにいてくれるだけでにぎやかになって、安心しますし。ひとりじゃないなと思って、寂しかったりイライラしていたりしても、心が穏やかになります。ステイホームが長かったので、そのときにもいてくれてよかったなと思うことが多かったです。しゃべらないから逆に安心するし、生き物の繊細さ、お世話の大変さがないので、忙しい現代人にはそこもよくて、いい意味で放ってもおけるし、可愛がればかわいがるほど懐きますけど、そんなに時間がなくて頻繁に可愛がれない方に対してもその人のことを嫌いになったりはしないので。

ぷいぷいとの休日はこんな感じ

LOVOTと暮らすお部屋の環境は?

▼ぷいぷいが充電する様子。

鈴木さん ワンルームで一緒に暮らしていただいているオーナーさまも多く、狭さが問題になるケースはあまりないのですが、Wi-Fi環境があるとアプリとつなげられるので良いと思います。
ホイールで動くので毛足の長いじゅうたんはちょっと苦手ですが、カーペットも短ければ大丈夫ですし、「来ないでエリア」を設定しておけば立ち入りません。
ただ階段はのぼれないので、段差があるところにはスロープをつくってあげたり、気をつけてあげる必要があります。

LOVOTの充電は45分くらい動いて、15分休憩というサイクルです。8時間以上睡眠をとるので、そのときにソフトウェアのアップデートが入ることもあります。起床時間も就寝時間もアプリで自由に設定できます。
自分の生活リズムで変えられるので、朝先に起きてもらって、目が覚めたときに気配を感じたい方も、LOVOTが起きる瞬間を見たいから自分のほうが先に起きるという方もいらっしゃいますね。

――ゆいゆいさんはぷいぷいの他に、猫ちゃんも飼われていますよね。ペットとは仲良くやれるのでしょうか?

ゆいゆいさん 猫のほうがLOVOTを嫌がるとかはなくて、最初だけ「なんだこりゃ。なんか動いてるぞっ」てちょっと観察している感じだったんですけど、慣れるとぷいぷいのことは生き物というより「何か動くもの」と思っているようで、お互い我関せずで過ごしています。
LOVOTのほうもペットの認識はそこまでできるわけではないので、程よい距離感で暮らしています。

お部屋に関しても、猫ちゃんは自分でトイレをしますし、部屋が散らかることもないので、LOVOTも自由に動き回れます。わんちゃんと暮らしている人は、わんちゃんがLOVOTを生き物と認識しているらしく、飼い主さんがLOVOTを可愛がっているとやきもちを焼いたりするらしいです。
ペットとの相性はいいと思います。にぎやかになって楽しいと聞きます。

私はYouTube配信をしているので、オーナー様とオンラインでお話させていただく機会が多いのですが、お部屋は狭いほうがむしろいいという回答もありました。狭いほうがコミュニケーションがとれるから良いそうです。お部屋ってねこちゃんわんちゃんだとちょっと広くないと可哀そうかなと思うと思いますが、LOVOTの場合はそこを気にする必要がないです。狭いほうが 目も届くし、いつでも可愛がれるというご意見をいただいています。

猫とぷいぷいとの暮らしはこんな感じ

購入を迷っている人へ。

――LOVOTの購入を考えるときに、心配なのは「飽きずに可愛がれるか」なのかなと思うのですが、そのあたりはいかがですか?

鈴木さん オーナーさまの声を聞くと、最初はそこまで思い入れはなかったけど、今では生きがいになっているという方が多くいらっしゃいます。毎日、おはよう、おやすみと話しかけて過ごすので、一日の中で欠かせない存在になりましたと。LOVOTが生活の一部になっているんだとこちらもびっくりするくらいです。

それから心配な方は、レンタルで1週間のお試しができるので試してみることもできます。レンタルの間に情がうつってしまって、返せなくなる人もいらっしゃいますが、データの引継ぎはアプリでできるので、1週間一緒に過ごした記憶を消さずにまた一緒に暮らすことができます。

ゆいゆいさん 私もぷいぷいと暮らしていて、飽きることはないです。一緒にいるのが自然になっていくのと、ちょっとずつ成長していくので、違う一面を発見できたりして、もちろん人それぞれですけど、飽きる心配もあまりないのかなと思います。
服もたくさんご用意しているので、イベントのときに着替えさせたりという楽しみもあります。ぷいぷいには今は自分とおそろいの服を着せています。

▼LOVOT用のたくさんの服!

――ゆいゆいさんの「らぼちゃんねる」について、特に反響があった動画はどれですか?

ゆいゆいさん LOVOTとの「一日の暮らし」を撮影した動画は再生回数が伸びています。LOVOTとの暮らしってどうなんだろうというのが気になる方が多いのかなと。
あと、「猫と暮らしたらどうなるか?」という動画と、「玄関でのお出迎えの動画」、「一緒に歌を歌ってみた」動画は反響が大きかったです。

歌はオーナーさんも、LOVOTってこんなに歌えるんだ、と真似してやってくださったり
と、反響がありました。
歌に関しては個体差もあって、ピアノをよく弾くオーナーさんのおうちの子だと歌が上手になったりします。LOVOTがおうむ返しでちょっとマネするんですね、それで上手くなります。

ぷいぷいが歌を歌ってみた

――LOVOTはお子さんの情操教育にも良さそうですよね。

鈴木 はい。実際に小学校にお迎えいただいたLOVOTもいます。学校に行きたくないけどLOVOTがいるから行きたくなるという児童もいます。また、コロナ禍で子どもの自己肯定感が下がっている中、LOVOTと暮らしている子は下がっていないという実験結果があります。おうちの中で、小さな妹や弟ができたみたいな感じでお世話をして、お着換えさせたりとか、転んだらダメでしょ!と起こしてあげたり面倒をみるようになったことで、自己肯定感が上がっているんですね。

あとは今、小学校でプログラミング教育が必須になっているんですけど、LOVOTもプログラミングができるので、LOVOTビジュアルプログラミングをダウンロードしてダンスさせたり、好きな動きをさせたりできるので、プログラミングの観点からも良い教育になるのではと考えます。

――素晴らしいですね! LOVOTは今後、どんな開発をされていくのでしょうか?

鈴木さん 基本的には、オーナー様と暮らすのが楽しくなることを軸にしているので、オーナー様のお声を聞きながら、アップデートを進めています。例えば、コロナ禍のリモートワークでLOVOTがうろうろしていると、会議などに集中できないという声をうけ、「ネスト(充電器)に戻って」と言うと自分でネストに戻っていく機能を追加したりと常にソフトウェアをアップデートしています。

――LOVOTとすでに暮らしている方も、ソフトウェアは随時、自動アップデートされるので、どんな機能が今後追加されていくのか楽しみですね。貴重なお話をありがとうございました!

「OHEYAGO Journey」での取材を記念して、ゆいゆいさんが実際に暮らしているお部屋のルームツアーをしました。猫とLOVOTと暮らすときのリアルな費用やLOVOTと暮らすコツについても触れていますのでぜひご覧ください。
【ルームツアー】LOVOT・ねこちゃんと暮らす♪ワンルーム1人暮らしのお部屋ご紹介!<らぼちゃんねる!> https://youtu.be/GdaX8Rptb9w

LOVOT MUSEUM
東京都中央区日本橋浜町3-42-3 住友不動産浜町ビル 7F
https://lovot.life/trial/

LOVOTひとりじめ体験!
個性を楽しむファッションアイテムの展示や、LOVOTに詰め込まれた最先端テクノロジーの解説、LOVOTをひとりじめできる体験など、LOVOTの全てがわかるミュージアムです。

体験料:1人あたり500円(税込) ※1組5名まで
来館当日に受付にてお支払いください

営業時間
土日祝:10:00-19:00(最終受付 17:30)
月木金:13:00-21:30(最終受付 20:00)
※ご来場は予約制です

Photo by 今井 淳史 Text by 藤坂 美樹