高田馬場おすすめラーメン食べ歩きアイキャッチ

年間350杯のラーメンインスタグラマーが食べ歩き!激戦区・高田馬場の定番から新鋭までおすすめ4店をご紹介

「空をこえて、ラララ、星のかなた~」、駅に降り立つと、程なく聞こえてくる鉄腕アトムの発車メロディでお馴染み、東京、高田馬場。JR山手線から東京メトロ東西線、西部新宿線と3路線が乗り入れ、周りには早稲田大学をはじめ、音楽やデザインなどの多くの専門学校が集まっており、颯爽と行き交う若者たちの姿、昔と変わらない賑わいを見せる、学生の街。

今回はこの高田馬場のエリアにおいて、街の有名なスポットや、日本一と呼ばれるラーメン激戦区から選び抜いた、4杯のラーメンをご紹介します。

まずは高田馬場駅の周辺を街歩き

高田馬場駅前の交差点から見えるBIG BOX

高田馬場と言えば、駅を降りてすぐに目に入ってくるシンボル「BIG BOX」が有名で、ショッピングから、アミューズメント、スポーツジムなどの利用はもちろん、待ち合わせ場所や道案内などにも度々登場。

西武鉄道として1974年に初めて建てられた駅ビルですが、設計はあの中銀カプセルタワービルを手掛けた黒川紀章氏。当時のコンセプトであった「スポーツプラザ」は時代と共に少しずつ形を変えて、今の商業施設となっています。

3年後の2024年には創業50周年を迎えるということですが、外観は今も綺麗で、店内は人々の活気に満ち溢れており、高田馬場に住む人々の集いの場ということが伝わってきます。

高田馬場駅の高架下の手塚治虫アニメの壁画

駅の高架下には、鉄腕アトムをはじめ、火の鳥やジャングル大帝のレオ、ブラック・ジャックなど、手塚治虫先生のファンにはたまらない漫画作品のキャラクターたちの壁画があります。

冒頭に述べた鉄腕アトムの発車メロディについては、作中ではアトムが2003年に高田馬場にある科学省で誕生した設定になっていることから、2003年3月より山手線の高田馬場駅での発車メロディに採用されているとのこと。

また壁画についても1976年から1988年まで「手塚プロダクション」の本社が高田馬場にあり、この地で多くの作品が生まれたことから、地元の商店街が街おこしの一環として始めた取り組みの一部でした。

壁画を改めて見ると、高田馬場の未来への期待感やキャラクターたちの力強さ、そして地紋に伝統工芸の江戸友禅が利用されているなど、マクロとミクロの視点で楽しむことができます。

高田馬場駅北側にある商店街「さかえ通り」の入り口

駅の北側にある「さかえ通り」も高田馬場を代表する商店街で、全長約200mの通りには大小30軒以上の飲食店が軒を連ね、日中は学生、夜は大人まで多くの人が集まります。

ゲートの古さには昭和感が漂いつつも、夜の独特のネオンは雰囲気があり、一度是非足を運んでみてください。

名画座早稲田松竹の外観

駅を出て、早稲田通りを東側に向かうと、約5分で到着する名画座の早稲田松竹。

現在の映画館ではほとんど見かけなくなった2本立ての映画鑑賞や、当日のみ再入場が可能なチケット、飲食の持ち込みが可能など、古き良き時代の映画館の楽しみ、何よりミニシアターとしてここでしか見られない作品に触れられる喜びがあります。

複数のスクリーンを備えるシネコン全盛の時代ですが、歴史と風合いを感じる空間で、ゆっくりと映画と向き合える、そんな魅力が詰まっています。

高田馬場のラーメン自動販売機

最後のスポットはこちら。2021年7月に登場した最新の冷凍自動販売機「RAMEN STOCK 24」。

場所は早稲田通りを東に5分程歩き、細い路地を入ってすぐの博多ラーメン「でぶちゃん」の店先。

コロナ禍で大きく成長した宅配の冷凍麺、実際に試してみた方も多いと思いますが、そのクオリティは非常に高く、一時期は注文専用のサーバがダウンするほどの人気でした。こちらの自販機には人気の「ラーメン凪」グループの煮干しラーメンから、ボリューム満点の二郎系(G系)まで用意と、高田馬場らしいラインナップとなっており、販売結果次第では、今後新宿区以外へも拡大していきそうです。

奇しくも、コロナ影響により冷凍ラーメンという食文化が広がったわけですが、いつでもどこでもお店の味「そのまま」を楽しめるようになったことは、一ラーメンファンとしても、とてもうれしいです。そのうち店舗での行列が無くなり、冷凍の持ち帰りがスタンダードになる、そんな時代が来るかもしれません。

ということで、街のスポットをいくつか紹介してきましたが、高田馬場と言えば外せないのがグルメ情報、その中でも多くの学生たちに愛される「ラーメン」について、今回ぜひ食べて欲しいお店4軒、4杯をご紹介します。

俺の空

高田馬場の有名ラーメン店「俺の空」の俺の掛け節そば俺の掛け節そば 1,130円

一軒目にご紹介するのは、2001年創業、今年で20周年を迎えた、東京を代表する豚骨魚介系ラーメンの老舗「俺の空」。店名の由来は、店主が感銘を受けた漫画家本宮ひろ志氏の作品「俺の空」から。高田馬場駅の戸山口から徒歩1分の好立地ということもあり、昔も今も長い行列ができます。

高田馬場の有名ラーメン店「俺の空」の俺の掛け節そばのスープをレンゲでいただく

お店の真骨頂は豚骨魚介出汁をさらに磨き上げたダブルスープで、豚の軟骨を使うことで厚みやコクを増し、野菜、宗田節を組み合わせることで、クセのない香り付けから滑らかな舌触りまで、随所に店主の工夫が活かされており、食べてみるとその完成度の高さに驚かされます。

高田馬場の有名ラーメン店「俺の空」の俺の掛け節そばの麺を割り箸で口へ運ぶ

博多長浜ラーメンを彷彿される極細ストレート麺はとてもシルキーで、パツっと切れる歯切れと、口の中に広がる小麦のフレーバーが、スープに絶秒にマッチ。トッピングのほぐし豚も美味しく、これぞ伝統の俺の空スタイル。鴨肉はダメ押しの美味しさで、火入れまで完璧な仕上がり。

20年という歳月を振り返ってみると、まだ高田馬場がラーメン激戦区と呼ばれる前、この「俺の空」の登場がさらなるラーメン文化の醸成、このエリアをラーメン激戦区に導いたと言っても、決して過言ではない気がします。改めて「名品健在」と呼ぶに相応しい一杯。

店舗情報

高田馬場の有名ラーメン店「俺の空」で行列を作る人々

営業時間 11:00〜21:00(スープがなくなり次第終了)
定休日 無休
住所 東京都新宿区高田馬場4-2-31 瀬古ビル103
※コロナ影響による時短営業については事前にご確認ください

渡なべ

高田馬場のラーメン屋「渡なべ」の味玉ラーメン真俯瞰味玉らーめん 1,000円

2軒目は2002年に創業した、ラーメンコンサルタント渡辺樹庵氏のプロデュース店「渡なべ」。こちらも早いもので来年20周年を迎えます。

「俺の空」と並び、高田馬場を代表する豚骨魚介スープの名店であり、出身者の多くが都心のラーメンムーブメントを牽引するという、職人育成の場としても名高く、今日も和モダンの作りの店内には、食材の心地良い香りが溢れ、若き職人たちの手際の良さが光ります。

高田馬場のラーメン屋「渡なべ」の味玉ラーメンの豚骨魚介スープ

スープは豚骨をベースとした厚みのあるコクに、鰹節やサバ節などの旨味を加えた無化学調味料のダブルスープ。口の中にふわりと広がる味わいは、魚節系のエッジと豚骨のマイルドさを併せ持ち、長く続くアフターが特徴。

高田馬場のラーメン屋「渡なべ」の味玉ラーメンの麺を割り箸で口へ運ぶ

中平のストレート麺は力強く、しっかりとスープを吸い上げ、食感の良さと卓越した喉越しは絶品。

高田馬場のラーメン屋「渡なべ」の味玉ラーメンの極太メンマ

見た目が材木のような特大メンマは、渡なべスタイルの証であり、味付け、柔らかさ、インパクトと都内でも随一の美味さ。

毎回訪れる度に、新たな担い手となる職人たちの丁寧な仕事ぶりに感動しますが、近い将来、ここからまた名店が生まれることを約束します。

店舗情報

高田馬場のラーメン屋「渡なべ」の店舗外観

営業時間 11:00〜20:00(スープ終了まで)
定休日 :無休
住所 東京都新宿区高田馬場2-1-4
※コロナ影響による時短営業については事前にご確認ください

鶏白湯麺 蔭山

高田馬場のラーメン屋「蔭山」の鶏白湯塩そば真俯瞰名物鶏白湯塩そば(大盛)、味玉トッピング 1,100円

三軒目にご紹介するのは、2012年に自由が丘にある「蔭山樓」の系列店としてオープンした「蔭山」。若者向けに「ガツ盛り」系が多い印象の高田馬場において、女性の常連客も多く、野菜を使ったヘルシーな鶏白湯の名店。

高田馬場のラーメン屋「蔭山」の鶏白湯塩そばのスープをレンゲでいただく

スープは参鶏湯を彷彿させる鶏コクの深い滋味を持ち、鶏の脂肪分は抑え、後味をすっきりに仕上げた絶妙なバランス。これに野菜を絡めても、鶏のささみを混ぜ合わせても相性が良く、一度食べ始めると箸もレンゲも止まりません。

高田馬場のラーメン屋「蔭山」の鶏白湯塩そばの麺を割り箸で口に運ぶ

都内の有名な製麺所「浅草開花楼」の特製中平ウェーブ麺は、啜り、もちつる感、プツリとした歯切れが心地よく、パズルのように、この一杯にピタリとハマる感覚を覚えます。野菜、麺、ささみのローテーションは健康的で、普通のラーメンよりも体への負担が少ないのもうれしいです。

メニューには無料で追い飯が付き、終盤に残ったスープに入れると絶品の白湯雑炊が完成し、これにてスープを完飲。

飲み屋街としても多くのお店が集まる高田馬場ですが、この店を〆の一杯として、候補に入れておくことを是非おすすめします。

店舗情報

高田馬場のラーメン屋「蔭山」の店舗外観

営業時間 11:00~23:00(L.O. 22:30)、日祝11:00~22:30(L.O. 22:00)
住所 東京都新宿区高田馬場1-4-18
定休日 年始
※コロナ影響による時短営業については事前にご確認ください

ふく流らーめん 轍

高田馬場のラーメン屋「轍」の特性ふく流ラーメン真俯瞰特製ふく流らーめん 1,280円

最後に紹介するのは、2021年7月オープンの新店「ふく流らーめん 轍」です。大阪でミシュランビブグルマンを獲得した名店が、満を持して東京に進出。店主は大阪の塩ラーメンの雄、名店「JUNK STORY」の出身。

店内にはブレンダーの攪拌する音が響き、鶏白湯の出汁が泡ベースのクリーミーなホワイトスープへと変化。これに純白の柚子エスプーマ(形状を泡に変化させた食材)をかけると、美味しそうな麺面となり、空腹感を刺激されます。

高田馬場のラーメン屋「轍」の特性ふく流ラーメンのスープをレンゲでいただく

ジワリと広がる白湯のさっぱりしたコクは新感覚で、舌触りと口解けはクリームのように滑らか。柚子を絡めてみると柑橘系の酸味と白湯の旨味が重なり、多層的でユニークなマリアージュを感じさせてくれます。

高田馬場のラーメン屋「轍」の特性ふく流ラーメンの麺を箸で口に運ぶ

中細のストレート麺は、しなやかな弾力を持ちつつ、スープとも良く絡み、ベストな組み合わせ。鶏と豚の2種類のチャーシューは、しっとりした質感とダイレクトな肉の旨味に溢れ、単体としても美味しいです。

今回の大阪泡系ラーメンに限らず、2020年には大阪の大行列店「人類みな麺類」の支店が恵比寿にオープンするなど、東京に進出する関西のラーメン店が増えており、今後も楽しみです。

店舗情報

高田馬場のラーメン屋「轍」の店舗外観

営業時間 11:30〜15:00 (L.O. 14:30)、18:00〜22:00 (L.O. 21:30)
定休日 月曜
住所 東京都新宿区高田馬場2-14-3 三桂ビル 1F
※コロナ影響による時短営業については事前にご確認ください

今回は高田馬場の街の一部、おすすめのラーメン店を紹介しました。飲食店やアミューズメント施設が多いイメージですが、文化や歴史を感じさせてくれるスポットも多く、まだまだ街の散策は楽しめそうです。

高田馬場を訪れることがあれば、是非今回紹介したスポットやラーメン店に足を運んでいただければと思います。

Text & Photo by 藤野 弘行 Edit by 熊谷 佳樹