「壁紙との出会いの場を提供したい。」をコンセプトに、国内外14か国から取り寄せた約160ブランド、2万種類の壁紙を販売するWALPA様にお話を伺っています。
前編では、日本と海外の壁紙文化の違いや、貼って剥がせる壁紙の施工方法について概観しました。後編ではより具体的に、壁紙選びのコツやWALPAイチオシの壁紙をご紹介します。
初心者でも理想の壁紙に巡り合える「壁紙の選び方」
「いざ、壁紙選び!」と思った瞬間に立ちはだかるのが、膨大な種類の壁紙たち。運命の壁紙と巡り合うにはどうすればよいのか、壁紙初心者は皆目見当もつきません……。そこで、壁紙の選び方について岡本さんに伺いました。
1 部屋のテーマを決める
「北欧風」「ポップ」「インテリジェンス」など、自分のつくりたい部屋のテーマ、またはキーワードを事前に決めておきましょう。想像だけだと難しいため、雑誌やネットでモデルルームのイメージ写真を参考につくり込む人も多いとのこと。
ポイントは「壁紙だけが独立しないこと」。引越ししてすぐなど、家具を新調する場合は壁紙に合わせて家具を揃えられますが、多くの方はすでに家具が揃っている上で壁紙を選ぶことでしょう。そのため、ただカワイイと手を取った壁紙を貼ってみると統一感がなくなってしまう可能性も。できるだけ今の住まいを引き立たせてくれるような壁紙を選びましょう。
特に一人暮らしの賃貸物件の場合、一つの部屋にさまざまな家具や雑貨を置いていると思います。家具の質感、色などの調和をどう取っていくかが重要です。
2 色から決めるパターンも有り
テーマが思い浮かばない人は色から決めるパターンも有りです。お部屋全体を自分の好きな色に統一していくのもよし、前述したように家具の色に合う壁紙を選ぶのもよし。
「ベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%」の色の比率を考えて選ぶと統一感があり落ち着いた部屋に仕上がります。例えば、家具や雑貨の中にピンク色のものが置いてあるなら、ピンクの入った壁紙を選ぶと部屋全体のまとまりが生まれます。

ほかにも、色の心理効果や視覚効果を利用する人も多くいるそう。心理効果の場合、やる気を出すために赤系や暖色系を、集中力を高めるために青系や寒色系を、カフェのような落ち着いた空間を演出するために天井に黒系の壁紙を選ぶなど。
視覚効果の場合、天井を高く見せるために縦ラインを強調したデザイン(ストライプ調、縦目地の木目調など)を選ぶほか、ストライプを横張り施工してボーダーにすると部屋のワイドを広く見せる、後退色の淡いのグレーやブルーなどの壁紙で奥行きを演出するなど、視覚効果を狙ってチョイスしてみてください。

自分がどういう気持ちで過ごしたいのか、部屋をどう見せたいのか、それによって色を選んでいくのもオススメです。
3 WALPAのサービスを活用する
理想のお部屋のイメージを膨らませるために、WALPAが提供する2つのサービスを活用して壁紙を選んでみてはいかがでしょう。一つは壁紙シミュレーションアプリ『Wall Changer WALPA』。

スマホやパソコンから取り込んだ自分の部屋の写真を使って、WALPAで販売中の160ブランドの壁紙を疑似体験ができるのです。
お気に入りの壁紙を見つけたら、そのままオンラインストアで購入も可能となっています。また、「リビング」「寝室」「キッチン」「子供部屋」のモデルルーム写真もサンプルにあるので、部屋のテーマやイメージを膨らます際にも活用できますよ。

もう一つは、WALPAの壁紙を活用した施工事例集を掲載している『WALPANIAN』です。コーディネートの事例写真を投稿しているSNSなので、壁紙の新しい活用方法を発見できる場でもあります。

自分と同じような家具を置いている人、気になっていた色の壁紙を貼っている人など、『WALPANIAN』を活用するとロールモデルを探し出せます。
4 WALPAスタッフにコーディネートしてもらう
事前に予約すれば、WALPAの実店舗でインテリアコーディネーターが相談に乗ってくれます。好みの柄や色、部屋の図面を伝えるだけで、壁紙コーディネートの提案をしてくれるのです。
部屋の大きさ、天井の高さ、窓・ドアの位置がわかると、より的確にアドバイスをしてくれます。手書きのメモでも問題ないとのこと。事前にオンラインストアで気になる壁紙があったら、予約時に伝えておけば現物やカタログを用意してくれます。

店内にはカタログや見本帳も揃っているので、一人で悩んでいる方は、プロに相談するのも吉。壁紙の現物の質感が知りたい方も、実店舗へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
WALPAイチオシ壁紙3選
最後に、数ある壁紙の中からWALPAイチオシの壁紙を紹介していただきました。
光り輝くグリッター壁紙

「ここまで光る壁紙は今までなかった」と岡本さんが語るほどキラキラのグリッター壁紙。イギリスのブランド・MURIVA(ムリバ)の『Oriah Glitter』シリーズです。
6種類の色(ゴールド、シルバー、ローズゴールド、ミッドナイトブルー、ホワイト、ソフトピンク)を用意しています。ミッドナイトブルーで洗練されたダイニングルームを、ゴールドで豪華なリビングルームを、ホワイトで現代的なキッチンを、ソフトピンクでプリンセスのベッドルームを演出できます。
ほかにも洗面台の壁に貼り、キラキラの反射を利用することで、女優ライトのように顔をキレイに輝かせてくれます。

香りのする壁紙

アメリカのブランド・Flavor Paper(フレーバー・ペーパー)が手掛けるポップなシトラス柄が特徴のこちらの壁紙、なんとシトラスの香りがするのです。インクの中に香りのカプセルが入っていて、ほのかにフルーツの香りが漂います。シトラスのほかには、バナナとチェリーも。
クローゼットやトイレなど少し狭い場所に貼ることで、香りに包まれた空間を演出できます。

日本のデザイン逆輸入の壁紙

東京オリンピックの影響もあり海外のブランドが日本の和柄にインスパイアされてつくった逆輸入の壁紙も、人気を集めているそう。海外のブランドならではの斬新な色合わせは、日本で見慣れた和柄と異なる雰囲気を演出してくれます。
ドイツの老舗ブランド・rasch(ラッシュ)もさまざまな和柄壁紙をデザイン。着物の反物からインスパイアされた『Kimonoコレクション』は、華に埋め尽くされた海を渡る美しい丹頂鶴が描かれています。

「着物の柄は縁起物でもあるため、どんな場所に貼ってもよい」と岡本さん。和室や襖に貼るのはもちろん、リビングに貼ってもモダンな雰囲気を演出してくれそうです。

“日本の壁紙は閉ざされている” というWALPAの言葉と同じように、私自身も壁紙に対する価値観が閉ざされていると気づかされました。お部屋の雰囲気を変えたいとき、“壁紙を貼りかえる” という新しい選択肢が追加されました。
家で過ごす時間が増えた今だからこそ、お部屋にいる時間をもっと楽しく快適にするために、壁紙を貼ってお気に入りのパーソナル空間をつくってみてはいかがでしょうか。
Text by 阿部 裕華