「日々の掃除をらくにしたい」「持ち物をすっきり片付けたい」「おしゃれな部屋にしたい」……これらの願いを一度に叶えてくれるテクニックがあったら、嬉しいですよね。
そこで今回は、お部屋の悩みを一挙解決してくれる収納術「浮かせる収納」について、人気ブロガーのぐうたらんこさんに教えていただきます。
「浮かせる収納」の実例とともに、賃貸のお部屋でも使える収納テクニックやおすすめアイテムをたくさんご紹介します。すっきりきれいなお部屋をめざしている方は、ぜひチェックしてください。
ぐうたらんこさん●整理収納アドバイザー。とにかくズボラでぐうたら。何をするのも面倒なのに、その反面キレイ好き。「らくしてキレイを維持したい!」から始まった収納のアレコレ。
・掃除がキライ!だからこそ、掃除に手間がかからない収納法にする。
・片付けが面倒!だからこそ、片付けなくても済む収納法にする。
この発想から、壁面収納・浮かす収納が大好き!ブログ「家がどんどん好きになる」
実例でわかる! 浮かせる収納の3大メリット
「わが家では、家具以外のほぼすべてが浮いています」と語るぐうたらんこさん。まずは「浮かせる収納」を取り入れることでどういったメリットがあるのか、実例とともに教えていただきました。
1. 掃除がしやすい
「浮かせる収納は、ぐうたらな人にこそおすすめです。あらゆるアイテムを浮かせておけば、掃除をするときに物を持ち上げる必要がないので、一気にらくになります」(ぐうたらんこさん、以下カッコ内は同)
たとえばキッチンの水切りかご。毎日水切りかごを持ち上げて水滴を拭き取るのは、はっきり言って面倒ですよね。でも、だからといって掃除をサボっていると、どんどん水アカが定着して落ちにくくなります。そして余計に掃除が面倒になる……という悪循環に陥りがちです。
しかしそんな悪循環も、水切りかごそのものを浮かせてしまうことで断ち切れます。
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お風呂のシャンプーボトルも、このとおり浮かせてしまえば、ぬめりに悩む必要なし。
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ちなみに、入浴剤もお風呂の壁にくっつけて浮かせられますよ。
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「浮かせる収納」が活躍するのは、水回りだけではありません。ぐうたらんこさんによれば、寝室やクローゼットなど、「布がある場所」のほこり対策にも有効なのだとか。
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かつてボックス収納をしているときは、掃除機をかけるときにいちいちボックスを移動させる必要がありました(投稿5枚目参照)。でも、浮かせる収納にしたことで、クローゼットのすみずみまでらくに掃除できるようになったんです」
床に障害物がないので、すみからすみまでロボット掃除機に任せることも可能に。そもそも物を床に置かなければ、ほこりがたまりやすい場所自体が減ります。
「掃除に使うアイテム自体を浮かせてしまえば、さらに掃除がらくになりますよ」
たとえば、下の画像はトイレの収納棚の中です。
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「トイレの収納棚は、高い位置に設置されていて、特に身長が低い方にとっては手が届きづらいことも少なくありません。そんなときは画像のように掃除アイテムを扉裏にくっつけるのがおすすめ。片手でサッと取って、ササっと掃除できます!」
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2. 自然に物が片付く
アイテムを浮かせるということは、すなわちそのアイテムを壁などにくっつけて、定位置を作ってあげること。すると、「どこに何をしまうべきか」がひと目でわかるようになり、自然に整理整頓ができてしまいます。
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時計、ティッシュ、リモコンなど、何かと散らかりがちな寝室の枕元も、浮かせてしまえばこのとおり、いつでもすっきり。「すぐに物を失くしてしまう」というお悩みも、解決できます。
続いて、キッチンの収納扉の中を見せていただきましょう。
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扉の裏に、チューブや小袋タイプの調味料がきれいに引っ掛けられていて、お店のディスプレイのようです。シーズニングは、クリップタイプのカーテンフックで引っ掛けているのだとか。
キッチンの収納については、棚の中にボックスを並べて、その中にストックを収納している方も多いのではないでしょうか。
「実は私も、昔はボックス収納をやっていました。でも、だんだんボックスの中がぐちゃぐちゃになって、まだストックがあるのに気づかず同じものを買ってしまうことも出てきて。そこで浮かせる収納を取り入れて、扉を開けたらすぐ見えるようにしたところ、無駄な買い物もなくなりました」
ストックを取り出すときも、「扉を開けて取る」という2ステップ。「ボックスを引き出して、その中を探して……」という手間が省けます。
3. 見た目がすっきり
「浮かせる収納」は、掃除や片付けがらくになるだけでなく、お部屋の見た目もすっきりさせてくれます。
たとえば、たくさんあるアクセサリーも、洗面所のミラー付き扉の裏に浮かせて収納すればすっきりします。
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こうして収納すれば、お部屋がすっきりするだけでなく、使うときにもどんなアイテムがあるのか一目瞭然。今日付けるアクセサリーを選びやすくなりますね。
さらにゲームのコントローラーだって、リビングの収納棚の扉に隠せます。
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「『浮かせる収納』が特に活きるのは、収納棚の扉の裏だと思います。生活感を出したくない人におすすめです」
賃貸物件でもOK! 浮かせる収納はこうしてつくる!
ここまでの実例を見て、「どうやって浮いているのだろう?」「特別な工事が必要なのかな?」と思った方も多いのではないでしょうか。
しかし、ぐうたらんこさんのテクニックは、実は特別な工事なしで、まねできてしまうものばかり。しかも、そのほとんどが賃貸物件暮らしの方にも実践できる方法です。
「私は分譲マンションに住んでいるのですが、よく模様替えをするので、原状復帰できるように考えているんです」と語るぐうたらんこさんに、特におすすめのテクニックを4つ教えていただきました!
1. トタン板+磁石付き収納アイテムでつくる
「ぜひ試していただきたいのが、トタン板です。金属の板を貼れば、磁石でくっつくアイテムを家じゅうで使えるようになります」
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トタン板といえば、倉庫に使われているような大きな板をイメージしますが、最近ではA4サイズのトタン板も売っているそうです。しかも、小さなサイズなら300円程度と、非常にお手頃価格。よくあるマグネットシートよりしっかりと磁石がくっつくので、浮かせる収納に最適なのだとか。
賃貸のお部屋でトタン板のテクニックを使う手順を教えていただきました。
- トタン板を貼り付けたい場所に、マスキングテープを貼る。
- マスキングテープの上に、両面テープを貼る。
- 両面テープのシートをはがして、トタン板を貼る。
- トタン板に、磁石つきの収納アイテムをくっつける。
マスキングテープを下地として使うことで、はがすときに壁紙まではがれてしまうことを防げます。幅の広いマスキングテープを使えば、広い面積もらくらくカバーできますね。
「トタン板にも白・黒・シルバーなどカラーバリエーションがあります。部屋の雰囲気に合う色を選んで、さらにトタン板の上から薄手のインテリアシートを貼れば、内装によく馴染みますよ」
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最初にご紹介したこちらの水切りかごも、トタン板にマグネットでくっついています。キッチンのテイストと合わせるため、トタン板の上につやのあるインテリアシートを貼ってあるそうです。
2. ぴたっとピール+吸盤付き収納アイテムでつくる
吸盤は、何かを壁に貼り付けたいときに非常に便利なパーツ。吸盤がついたラックやフックは世の中にたくさん売られています。吸盤アイテムを使えば、いろいろなものを浮かせることが可能になります。
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たとえば上の画像では、扉の内側に吸盤付きのタオルフックをくっつけて、ヘアアクセサリーを収納しています(下半分はトタン板ですね!)。
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そして別の扉にはネックレスやピアスを収納しています(ちなみにピアスを掛けているのは、タンスなどに使う「ポキポキ仕切り板」だそうです)。
しかし、いざ吸盤アイテムを使おうと思ったとき、2つの問題が立ちはだかります。まず、吸盤を貼りたい場所の素材が壁紙や木材などで「そもそも吸盤が貼れない」という問題。そして「吸盤を貼ったものの、時間が経つとはがれてしまう」という問題です。
こうした吸盤問題に悩む方に対して、ぐうたらんこさんがおすすめするのは「ぴたっとピール」。
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これを使えば、壁紙や木材のような、本来なら吸盤と相性の悪い場所にも、しっかり吸盤を貼ることができます。さらに、ガラスや窓に吸盤を貼る場合にも「ぴたっとピール」を使ってはがれを防止するのがおすすめだそうです。
ぐうたらんこさんによれば、「ぴたっとピールは、外すときにはツルンと剥がれます」とのこと。退去時に現状復帰する必要がある賃貸物件でも安心ですね。
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3. 貼ってはがせるフック・魔法のテープでつくる
上の2つよりさらに簡単なのが、清和産業の「クリぴたフック」のような貼ってはがせるフックや、好きなサイズで切って使える「魔法のテープ」を使うテクニックです。
下の投稿2枚目に写っているのが、貼ってはがせるフックです。しっかりくっつくので、大切な植物も安心して吊るせそうですね。
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そしてこちらが魔法のテープ。
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魔法のテープは、重いものを貼ると壁紙ごとはがれてしまうおそれがあるので、軽いものにおすすめなのだそうです。
「はがしたあとにまた貼り直せるのも、これらのアイテムの魅力です。たとえばリモコンなら、普段は壁にくっつけたまま使って、電池交換のときだけはがします。交換が完了したら、またそのまま貼れるんです」
4. 「世界一薄い? 延長コード」でつくる
こちらの延長コードを使った収納テクニックもご紹介します。
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「この延長コードの厚さは、たった0.9mm。充電が必要なアイテムを戸棚の中で浮かせるときに使えます。たとえば私は、電動歯ブラシを洗面所の戸棚の中で充電しています。洗面台に直接置かなくて済むので、見た目がすっきりするし、水アカもたまりません」
なるほど! 戸棚の中にコンセントがなくても、扉のスキマが狭くても、この延長コードを使えば「充電しながら収納」が可能になりますね。
ぐうたらんこ流! 収納を成功させる3つのポイント
見事な収納テクニックをたくさん教えてくださったぐうたらんこさん。最後に、「浮かせる収納」に限らず、収納全般に通じるポイントをお聞きしました。
1. 収納アイテムはインターネットで買う
「自分の部屋にぴったりの収納アイテムを選ぶためには、サイズをはかることが重要です。だからこそ、自宅でのネットショッピングがおすすめ。商品ページに表示されているサイズを、実際に使う場所ときちんと見比べて購入できます。私も、収納アイテムは全部ネットで買っています!」
2. 暮らしながら改善していく
「完璧な収納を最初からめざすと、疲れてしまいます。はじめは、すぐできそうな小さなところから新しい方法を試して、実際にその収納を使って暮らしながら少しずつ改善していくのがポイントです。私も、しょっちゅう違う方法を試しています。新しい物を買えば、それに合う収納も変わりますから」
3. お部屋選びでは収納量よりカスタマイズ性をチェック
「お部屋を借りたり買ったりするときには、なるべく収納が多いほうがいいような気がしますよね。でも、実は収納の量よりも『いかに収納をカスタマイズできるか』が大切です。たとえば、天井から床までの戸棚があっても、真ん中に動かない棚板がついていたら、長いものを収納することができませんよね。
逆に、収納が少なく思えるお部屋は、自分の好きな収納家具を好きな場所に置けるということ。お部屋を選ぶ際には、暮らしに合わせて収納をカスタマイズできるか?というところを、ぜひチェックしてみてください」
「掃除がらく・片付けがらく・見た目すっきり」の3点が一度に叶う「浮かせる収納」。一見難しそうですが、今回ぐうたらんこさんに教えていただいたのは、インターネット上で買えるアイテムで、賃貸物件暮らしでも簡単に真似できるテクニックばかりです。お部屋の気になる箇所から順番に、ぜひ試してみてくださいね。
Text by 瀬良万葉