西日本最大級のインテリアショールームであるIDC OTSUKA大阪南港ショールームにて、インテリアのプロにオフィスチェアの選び方を教えていただく今回の企画。
前編では、オフィスチェア選びのポイントや快適な在宅ワークスペースをつくるコツ、賃貸物件に暮らす人が気をつけたいことなどを、シニアアドバイザーの本村秀一さんにお聞きしました。
▶︎前編:おうちでも、オフィスのような働き心地を! 在宅勤務を快適にするオフィスチェアの選び方
後編となる今回の記事では、大塚家具の取り扱うたくさんのオフィスチェアの中から、特におすすめのチェアを9つご紹介します!
有名どころから隠れた名品まで! 在宅ワークにおすすめのオフィスチェアを紹介

IDC OTSUKA大阪南港ショールームには、たくさんのオフィスチェアが並んでいます。「どれから座ってみればよいのだろう?」と悩んでしまいそうですが、実際に足を運ぶと、売り場の販売員さんが個々人のニーズをしっかりヒアリングしておすすめのチェアを紹介してくださいます。
今回は読者の方のさまざまなニーズに合わせて、幅広くおすすめチェアを案内していただきました。本村さん、よろしくお願いします。
1 アーロンチェア

ハーマンミラー社によって1994年にデザインされて以来、何度かのモデルチェンジを経ながら、長きにわたって愛され続けてきた歴史あるオフィスチェア。ニューヨーク近代美術館(MoMA)の「永久コレクション」にも選定されている名品です。

サイズのバリエーションがあり、自分の体格に合わせて選べるのもアーロンチェアのメリットですね。
さまざまな機能がそろっていますが、中でも「前傾チルト」という機能は、前かがみの姿勢を安定させるのに役立ちます。リモートワークにおいて書き物が多い方、前かがみのほうが集中できる方にとって、非常に便利な機能です。
2 エンボディチェア

こちらもハーマンミラー社の製品。アーロンチェアと同じデザイナーが手掛けた、独特のフォルムをもつチェアです。

腕周りのスペースが広く空いており、背もたれが柔らかく、自由に動けるのが特徴。堅牢なフレームを持つアーロンチェアに対して、枠にはまらない椅子であるともいえるでしょう。

エンボディチェアの大きな特徴は、座面の構造です。座面は4層になっており、そこに組み込まれた「ピクセル構造」という柔らかいバネのような構造が、体重をうまく分散。なめらかに身体に馴染むような、リラックスした座り心地を得られます。
3 セイルチェア

お部屋に馴染むスタイリッシュなチェア。インテリア性が高く、食卓のチェアとして使っている方もいらっしゃるそうです。リビングやダイニングに近い場所でリモートワークに取り組む方におすすめしたいオフィスチェアです。

色によってもお部屋の雰囲気が大きく変わりそうですね。
小ぶりなので、小柄な方にもフィットするのも魅力です。アーロンチェアと同様、前傾機能がついています。アーロンチェアやエンボディチェアに比べて、価格がお手頃なのも嬉しいところです。
4 コンテッサセコンダ

日本のオフィス家具メーカーを牽引するオカムラが、イタリアの名門デザインファーム「ITALDESIGN」とのタッグで生み出したフラッグシップモデル。流線的なフォルムがとても美しいチェアです。
川島織物セルコンのメッシュを使用するなど、素材にこだわっているのもオカムラの魅力。全体のフォルムはもちろん、ディテールにも美が宿っています。
機能面では、アームの部分に操作盤がまとまっているのがほかの製品にはないメリット。一般的なチェアの場合は座面の下に操作盤があるので、手を回して操作する必要がありますが、コンテッサセコンダなら座ったまま、手元であらゆる操作を完結させられます。

カラーバリエーションが多く、フレームも3種類から選べます。同じチェアでも、パーツの選び方で雰囲気がかなり変わりますね。好みの色やデザインを選ぶと、リモートワークにも楽しく取り組めそうです。

5 バロンチェア

バロンチェアもコンテッサと同じく、オカムラとITALDESIGNのコラボレーションによって生まれました。やはりスタイリッシュなフォルム。バロンはコンテッサよりも一回り小さいので、小柄な方や、部屋のサイズと比べてコンテッサは大きすぎるという場合にもおすすめできるチェアです。

メッキの継ぎ目がなめらか。細部の仕上げが丁寧です。

機能面では、背もたれの腰部分にはっきりと角度がついているのが特徴。深く座って背もたれのカーブに体重を預けると、身体に馴染み、しっかりサポートしてくれます。
6 シルフィー

続いてご紹介するのも、オカムラ製のチェアです。

こちらは、上から背もたれを撮った写真です。背もたれが曲線を描いているのがわかるでしょうか?これがシルフィーの大きな特徴の一つ。背もたれのくぼみに身体が入り込むようにフィットします。包まれるような座り心地を感じたい方におすすめです。
シルフィーのもう一つの特徴は、アーロンチェアと同じく前傾姿勢をサポートする機能があること。在宅ワークで重要な「オン・オフの切り替え」にも役立ちます。

豊富なカラーバリエーションも、オカムラの魅力です。お部屋にぴったりの色を選びたいですね。
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7 エルゴヒューマン

エルゴヒューマンのオフィスチェアは、一言でいえば「いいとこ取り」。さまざまな機能が集まっていて、なおかつアーロンチェアやコンテッサなどに比べるとお値段もお手頃です。
フットレストやタブレットスタンドなど、独自のオプションも充実しています。

ほかのメーカーに比べて腰のサポートが強めなのも、エルゴヒューマンの特徴です。押されているような感覚があり、しっかり支えてほしい方におすすめです。

エルゴヒューマンには、2種類のメッシュ素材が用意されています。耐久性やお値段は変わらないので、座り心地やデザインで選ぶとよいでしょう。
8 エレア

エレアは、シュレッダーやラミネーターなどさまざまなオフィス用品を製造するフェローズ社のチェア。座面が上から吊られているという、なんともユニークな構造をしています。


この構造のおかげで、あらゆる動きに座面が追従し、身体の負担を低減してくれます。
清潔感ある上品なデザインもエレアの魅力で、クリニックへの納品事例もあるとか。確かに、明るくクリーンな雰囲気が医療機関のイメージにぴったりですね。
9 デュオレスト

こちらもユニークな見た目のチェア。2枚の大きな羽が付いています。この羽根が背中を包み込み、横を向いたときにも追従して身体を支えてくれるのです。

考案者はドイツの物理学者、マティアス・ブリニッヒ名誉教授。ブリニッヒ教授自身が腰痛持ちであり、自らの環境を改善するために開発したそうです。

腰痛に悩む方には背中と背もたれの隙間を気にされる方が多いですが、デュオレストは身体にぴったり沿ってくれます。あまり広くは知られていないですが、一度座っていただきたいチェアです。
− 本村さん、ご紹介ありがとうございます!どのオフィスチェアにもそれぞれ魅力があって、悩んでしまいますね。
「そうですね。本当はまだまだご紹介したいのですが(笑)、たくさんの選択肢からご自身に合ったオフィスチェアを選んでいただくには、やはりご自身でいろいろなチェアを座り比べてみられることが一番です」
自分に合ったオフィスチェアで、快適な在宅ワークを!
実は筆者も、大塚家具様にてオフィスチェアを購入した者の一人です。プロに相談することで自分のニーズをしっかり把握でき、自分にぴったりのチェアを選ぶことができたので、今も非常に快適な環境で記事を執筆しています。
在宅ワークは、今やもう一時的なものではなくなっています。椅子選びを軽視せず、ぜひご自身に合ったオフィスチェアを手に入れ、健康的かつ能率的な仕事環境を構築したいですね。
Text by 瀬良 万葉